ダイレクトボンディング　審美歯科～おおの歯科(大阪府吹田市)

　歯の部分修復のうち、型取りをする方法のハイブリッドインレー、セラミックインレー、ジルコニアインレー、CAD/CAMインレーなどによる修復方法と比較して、たくさんのメリットがあります。近年注目されていますが、当院院長は、かなり前の勤務医時代から実績があります。

　ここでは、ダイレクトボンディングの長所と短所の説明と、実際の治療例をご覧いただきます。ここで紹介する治療例以外にも様々な症例がありますので、こんなことは出来ないのかというご相談もお待ちしています。なお、当院の治療例は、宣伝用のチャンピオンケースではなく、普段の診療で行っているものです。

ダイレクトボンディングの長所

・歯を削る量が少ない。
　ハイブリッドインレー、セラミックインレー、ジルコニアインレー、CAD/CAMインレー（以下、単にインレー）のように便宜的に健康な歯質を削ることをほとんどしません。金属以外のインレーは、インレー体の製作と割れにくくする都合から、ある程度の厚みが必要ですので、歯をたくさん削る必要があります。

・安い。
　保険診療と比較すれば高価ですが、セラミックやジルコニアと比較すれば半分～1/3程度のの費用です。

・原則1回で終了する。
　型取り不要ですので再来院の必要がありません。お急ぎの方や遠方の方にもお勧めです。

・色調や表面性状等がよく合う。
　細かな色の違いや表面の凹凸の違いなどを、拡大鏡で見ながら、模型上ではなく、その場で再現します。型取りして模型上で作製するインレーは、歯に直接充填するダイレクトボンディングにはかないません。

・精度が高い。
　歯に直接材料を充填していきます。ジルコニアインレーやセラミックインレーのように、はめ込むスペースが必要ありませんので、隙間なく充填できます。

・補修しやすい。
　一部欠けたり一部だけ虫歯になったりした場合、インレーは全体の取り換えとなりますが、そこだけを充填し直すことが出来ます。歯への侵襲が少ないですし、時間も費用も節約できます。

ダイレクトボンディングの短所

・回数は1回ですが時間がかかります。開口器を使用するなどして患者さんの負担を軽減しています。

・ジルコニアインレーやセラミックインレーと比較すると、経年劣化で色は変わりやすいです。そのような場合は、表面のみを充填し直すことで綺麗になります。大きな力のかかる部位でなければ10年くらいは問題がないことが多いですが、時々研磨にお越しいただくことをお勧めします。

・結果の良否は治療を行う歯科医師の技術で決まるため、治療できる歯科医師は多くありません。日々研鑽を積んでいます。

ダイレクトボンディング治療例１：正中離開（すきっぱ）

すきっぱ（正中離開）で以前から悩んでおられ、ホームページをご覧いただいて受診された方です。

　この方の条件は、歯は削りたくない、できるだけ安く治療したい、でした。ダイレクトボンディングだけでなく、セラミッククラウンやベニヤの選択肢もご説明したうえで、希望されている2つの条件を満足する方法としてダイレクトボンディングを選択されました。

　ダイレクトボンディング治療後です。元の歯の縦のスジは、患者さんと相談したうえで残しました。このようなスジや白濁などは残した方が自然に見えることが多いですが、消すこともできますので、患者さんとよく相談して治療のゴールを決定しています。

　この治療に特有の重篤な有害事象はありません。費用は1歯4万円～6万円（税別）になります。セラミックで治療する場合の半額～1/3くらいの費用ですので、費用面で悩んでいる方や、美しくしたいけれど歯は削りたくない方は、ご相談ください。

ダイレクトボンディング治療例２：歯の変色

　神経を取った後に変色した歯の治療希望で受診いただいた方です。変色だけではなく、歯ぎしりが原因と思われる破折も生じていました。歯が変色する原因や歯が破折する原因、ダイレクトボンディング以外の治療方法もご説明したうえで治療をしました。神経を取った歯は被せるしかないと誤解されている方もいらっしゃいますが、歯に強度があって、精度の高い治療をすれば少しだけ削って綺麗にすることが出来ます。

　この写真は、約1年4か月後です。光の加減で向かって右側が全体に暗くうつっていますが、実際は色も質感も天然歯と同じように仕上がっています。
歯の表面を1mm弱削って、複数の色を盛ってあります。治療後から定期的に、保険診療の歯石取りと歯面清掃を行っていますが、それ以外の特別なことはしていません。10年くらいはもつと言われています。

　このようなケースで、費用は5万円（税別）、約60分間の治療です。この治療に特有の重篤な有害事象はありません。
セラミックのクラウンやラミネートベニヤと比較すると半額～1/3の費用ですし、天然歯を削る量も非常に少ないです。歯を削りたくない方、費用を安く抑えたい方は、ダイレクトボンディングをご検討ください。

ダイレクトボンディング治療例３：奥歯（小臼歯）

　左下の小臼歯の見た目の改善で受診されました。他院で治療したレジンが充填されていますが、形態が良いとはいえませんし、経年劣化しています。歯ぎしりが原因と思われる摩耗もあり、美しくて耐久性のある材料で治療する必要があります。ダイレクトボンディング以外の選択肢もご説明したうえで、今回はダイレクトボンディングを選択されました。決め手は、ジルコニアインレーやセラミックインレーよりも色がぴったり合う点と削る量が少ない点でした。

　約90分間のダイレクトボンディング治療後です。天然の歯と同じような曲線による賦形、白っぽい部分、黄色っぽい部分、透明感など、ダイレクトボンディングでなければ出来ない仕上がりです。このようなケースの費用は１歯4万円（税別）です。この治療に特有の重篤な有害事象はありません。

ダイレクトボンディング治療例４：奥歯（大臼歯）

　他院でアマルガムという金属を詰める治療を受けておられたのですが、見た目の改善で受診された方です。金属を外しますと、中は真っ黒でした。黒くなるのは、虫歯だけでなく、金属が溶けだしてしまうこともあります。

　ダイレクトボンディング治療後です。この方の歯は、細かい凹凸やうねりがあって美しいのですが、歯医者泣かせです。しかも、大臼歯ですので、大きな力がかかります。患者さんには、他の治療方法やリスクの説明もした後で、治療を行いました。。似たようなケースの費用は１歯1～２万円（税別）です。この治療に特有の重篤な有害事象はありません。

ダイレクトボンディング治療例５：咬合治療（咬み合わせの改善）

患者さんに自覚症状はないのですが、咬み合わせの問題が原因と思われる深い歯周ポケットの治療として、ダイレクトボンディングで咬合治療を行いました。

　治療前のかみ合わせです。矢印の2本の歯が問題なのですが、下の歯が内側へ傾いているために、上の歯と端っこどうしが接触するような咬み合わせになってしまっています。鋏状咬合やシザースバイトなどといわれます。横方向の無理な力がかかりやすく、上の歯の歯周ポケットが部分的に深くなってしまいました。
患者さんには、歯を動かす矯正治療、ダイレクトボンディング、セラミッククラウンなどの治療を詳しく説明しました。ダイレクトボンディングのメリットである　歯をほとんど削らないこと、短期間で終わることに魅力を感じていただき、治療方法を決定しました。

　ダイレクトボンディングで咬み合わせの治療後の写真です。他の歯と同じように、理想に近い咬み合わせになりました。歯は、表面を撫でる程度でほとんど削っていませんし、色も元の歯と同じように仕上げています。写真にはうつっていませんが、咬合面の形態修正もしています。この文章を書いている時点で2年半くらい経過していますが、ダイレクトボンディングをした歯も、上の歯の歯周ポケットも、問題ありません。似たようなケースの費用は１歯3～4万円（税別）です。この治療に特有の重篤な有害事象はありません。

　歯科医師として一番にお勧めしたいのは矯正治療で歯を動かす方法です。しかし、装置の見た目や違和感が気になる方や、短期間で治したい方には不向きです。また、この症例の場合は、矯正の治療期間中に歯周ポケットがさらに深くなるのではないかいう心配もありません。

おしまいに

　ダイレクトボンディングは、あまり削らないで、即日綺麗になって、補修が楽で、比較的安いというたくさんのメリットがあり、患者さんの満足度が高く、評判が良い治療方法です。ダイレクトボンディングは万能の方法ではなく欠点もありますが、白くしたい、歯の形を良くしたい、歯並びを良くしたい、できるだけ小さい歯に見せたい、咬み合わせを改善したい、といった多様なご希望にお応えすることが出来ます。

　私がダイレクトボンディングを始めたころに比べると、出来るという歯科医院も増えてきました。材料の改善も進んでいますが、他の治療方法に比べて、歯科医師の技術、知識と経験から創意工夫する力が物を言います。長い実績のある当院へご相談いただけましたら、よく相談したうえで、あなたにとっての一番良い方法をご提案します。